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東京外大教員の本

dm_publication2018年以降に刊行された東京外国語大学教員の図書や本学研究プロジェクトの成果出版図書を紹介します。

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| 新着情報


2018/6/19

「大分岐」を超えて:アジアからみた19世紀論再考

book180619_2.jpg秋田茂(編)
ミネルヴァ書房  
2018年2月刊行

内容の紹介:近代アジアの経済発展をグローバルヒストリーの観点から再考し、ポメランツの「大分岐」論を相対化し、新たな世界史像を提示する。従来、欧米中心の近代世界システムに従属的に包摂されたとされるアジアを、南・東南・東アジアでの農業開発・工業化に着目しながら、相対的自立性という観点から再考する。18世紀の「大分岐」により19世紀が「ヨーロッパの世紀」になったとするポメランツ「大分岐」論を相対化し、20世紀後半の「東アジアの経済的再興」の起源を明らかにする。

著者等のコメント:
宮田敏之(大学院総合国際学研究院・国際社会学部・教授:タイ社会経済史・東南アジア経済研究)
「第9章 タイ米経済の発展と土地法――1901年土地法制定とその影響」


2018/6/19

Asia and the History of the International Economy Essays in Memory of Peter Mathias

book180619_1A.J.H. Latham, Heita Kawakatsu(eds.)
Routledge  
2018年2月刊行

内容の紹介:This collection of essays sheds new light on many aspects of Asia’s integration with the international economy. H.I.H. Crown Prince Naruhito discusses the problems of controlling water in the interest of urban development. He first examines the problems encountered on the River Thames in relationship to the growth of London in the eighteenth century, and then relates his findings to Japan where similar problems arose with respect to the expansion of Edo (Tokyo).
Other chapters looking at the eighteenth century examine the development of plant collecting in Asia and the wider world in the interest of the economy and leisure, Japan’s connections with the outside world by way of the Dutch East India Company (VOC), and the Dutch acquisition of the knowledge of the Japanese language at their base at Dejima Island, Nagasaki. India features next with a chapter showing how India was crucial in initiating the industrial revolution in Britain, by stimulating British manufacturers to copy the fine textiles made by hand loom weavers there. This is followed by a chapter showing how in the late nineteenth century India was the central pivot in the entire international economic system, based on its trading surplus with China. Other discussions trace the role of Scotland as a centre of heavy industry and shipbuilding, with Scottish companies dominating the shipping lanes of Asia.
A further chapter shows how British connections with Asia, in this case Shanghai, brought problems of debt and non payment, and outlines the steps taken to try to control the situation. Elsewhere problems arose in Bangkok over the quality of rice being supplied to European merchants in the 1920s, leading to a decline in sales. Finally there is a discussion of Japanese commercial policy towards Africa in the inter-war period. This book will be of interest and use to students, researchers, and general readers interested in Asia’s role in world economic development.

著者等のコメント:
宮田敏之(大学院総合国際学研究院・国際社会学部 教授:タイ社会経済史・東南アジア経済研究)
Toshiyuki Miyata, Chapter 11: “The Dispute over the Quality of Rice Exports from Siam to Europe in the 1920s”


2018/4/19

現代ドイツにおける学校制度改革と学力問題
-進む学校の終日化と問い直される役割分担のあり方-

book180416_1.jpg布川あゆみ(著)
晃洋書房  
2018年2月20日刊行

内容の紹介:「学力向上」が叫ばれたにもかかわらず、ゆとりをつくりだすという学校制度改革になぜドイツは取り組むことになったのか。
戦後史・社会変動・教育を構成する枠組みから実証的に検討し、「PISAショック」を受けてのドイツにおける教育のあり方の変容を論じる。現代的な関心にこたえる1冊。

著者のコメント:本書は、移民の増加や学力低下が社会問題化したドイツ社会で、この社会「問題」に対して、教育的にどのように解決が図られようとしているのかという問題意識から出発しています。学術書ではありますが、できる限り読みやすいものとなるよう、検討を重ねました。写真も掲載しています。一度手に取っていただけたら、とてもうれしいです。


中国北方危機言語のドキュメンテーション: ヘジェン語/シベ語/ソロン語/ダグール語/シネヘン・ブリヤート語

book180416_1.jpg李林静・山越康裕・児倉徳和(共編)
(他に執筆者として風間伸次郎・山田洋平)

三元社  
2018年4月20日刊行

内容の紹介:本書は、中国北方(東北部&西北部)で使用されるツングース語族(ヘジェン語、ソロン語、シベ語)・モンゴル語族(ダグール語、シネヘン・ブリヤート語)のいくつかの言語のテキスト(言語資料)を原文・グロス・日本語訳で提示したものです。これによりその民話や語りから話者の世界観を知ることができるだけでなく、同時に言語構造も把握できるようになっています。

著者のコメント:少数言語を研究対象とする言語研究者が取り組んでいる研究に「言語の包括的記録(言語ドキュメンテーション)」があります。当該言語の音声を(とくに近年では映像とともに)記録し、情報を付与して加工・公開し、恒久的に保存しようという研究手法です。こうして蓄積される言語資料を文字化したものの一つがテキスト(言語資料)です。無文字言語で、なおかつ音韻・文法構造が解明されているとはいいがたい言語のテキストを成形するためには、当該言語の体系を把握したうえで、論理的に分析する必要があります。この分析から、言語研究者自身の文法観をうかがい知ることができるといってもよいでしょう。
※本書に収録したテキストの一部の音声を、スマホアプリLingDyTalkを通じて聴くことができます。LingDyTalkはアジア・アフリカ言語文化研究所基幹研究「多言語・多文化共生に向けた循環型の言語研究体制の構築」(LingDy3プロジェクト)が開発した、数字認識機能を応用した音声再生アプリです。少数言語の貴重な音源をスマホを通じて気軽に楽しむことができるツールです。
詳細はプロジェクトサイト中の下記リンク先をご覧ください:
https://lingdy.aa-ken.jp/publications/tools-and-archives/3980


ニューエクスプレス アムハラ語

book180416_1.jpg若狭基道(著)
白水社  
2018年3月25日刊行

内容の紹介:エチオピアで共通語として広く話されているアムハラ語の入門書。

著者のコメント:アムハラ語の文法全体を扱ったものとして日本で初めての、一般書店に流通している音声教材付きの入門書です。伝統的な記述に囚われることなく、一見複雑な動詞の活用を整理してみました。従属節表現や動詞派生形も可能な限り割愛しておらず、実用的な作りになっています。小難しく無味乾燥な、読者を選ぶ本ではありません。偏見や思い込みを取り去って手にして戴ければ幸甚です。


はじめて学ぶ文化人類学:人物・古典・名著からの誘い

book180403_2岸上伸啓(編)
ミネルヴァ書房  
2018年4月30日刊行

内容の紹介:(出版社HPより:http://www.minervashobo.co.jp/book/b352145.html
19世紀後半から現在まで150年に及ぶ文化人類学の展開の軌跡を、主要な研究者の生涯と業績・著作に焦点を当て読み解く。文化人類学の初学者にも最適な入門テキスト。古典から最新の研究動向までカバーし、人類学の大きな学問潮流を捉える道案内(ガイド)を提供する。

著者のコメント:古典から最先端の研究動向まで、文化人類学の研究史を押さえるのに取っつきやすい入門書になっていると思います。私(大石)は、環境人類学の章を担当しました。本学からは、ほかに真島一郎先生(国際社会学部)、吉田ゆか子先生(AA研)、山本真鳥先生(本学非常勤講師/法政大学)が寄稿されています。


バスク地方の歴史ー先史時代から現代までー

book180403_2マヌエル・モンテロ(著)、萩尾生(訳)
明石書店(世界歴史叢書)  
2018年2月28日刊行

内容の紹介:(出版社HPより:http://www.akashi.co.jp/book/b353506.html
独自の言語と文化を有する欧州の異郷バスク地方の歴史を、スペイン領を中心に古代から現代までたどる通史。一度も領域国家をもつことのなかったバスク人の歴史を平易な記述と豊富な図版とともに解き明かす。スペインで最も版を重ねた入門書の決定版。

訳者のコメント:「バスク地方」の歴史叙述をめぐっては、「バスク地方」という空間領域の設定や、叙述に用いる言語の選択など、政治性がつねに付随します。本書の著者は、現代史、わけてもスペイン領バスク地方の近現代史を専門とする、バスク大学教授です。フランコ体制下の1955年に現バスク自治州の小漁村に生まれた著者は、バスク・ナショナリズムとは距離を置いた立場から、バスク語ではなくスペイン語を駆使して、スペイン領のバスク地方(ナバーラ地方を含む)の通史を、先史時代から現在まで活き活きと描写しています。


欠測データ処理:Rによる単一代入法と多重代入法

book180403_2高橋 将宜・渡辺 美智子 (著)
共立出版  
2017年12月9日刊行

内容の紹介:一般的に社会科学で扱うデータは,調査・観測データであることが多く,無回答のために欠測が生じることが多い.欠測データは適切に処理しなければ,解析結果に偏りが生じることがある.多重代入法は,尤度解析法と並んで最も汎用的な欠測データ解析法であるが,これまでの書籍では理論的な解説が主で,実際の応用事例や具体的な手順の記述が少なかった。そのため,実証分析を行う社会科学者や実務者が多重代入法を実際に活用することにはハードルがあった。本書はワンポイントとして代入法を中心に解説している。平均値のt検定,重回帰分析,ロジスティック回帰分析,時系列分析,パネルデータ分析といった社会科学において頻繁に使用される分析手法に関して,データに欠測が生じている場合に,多重代入法を用いてどのように欠測データを処理していけばよいかを具体的に示している。

著者のコメント:本書は,多重代入法に特化した本邦初の書籍です。徹底して実際的な視点から執筆した統計学の書籍で,扱った手法のすべてについて,統計環境Rにおいて実データによる解析を行っています。また,解析に用いたデータとRコードも掲載しているので,読者は本書に示された手順を再現しながら,欠測データの解析法を学んでいくことができます。


シリーズ記述文法1 南琉球宮古語伊良部島方言

book180403_2下地 理則 (著)
くろしお出版  
2018年4月6日刊行

内容の紹介:2009年にUNESCOから発表された消滅危機言語のリストのうち、日本で話されている言語は8つ含まれている。本書ではそのうちの1つ、南琉球諸語に属する宮古語の伊良部島方言について、音韻から品詞・形態・構文に至るまでを体系的に記述した文法書である。言語学者から見て興味の尽きないこの言語の体系を、その共時と通時に目を配りながら内的一貫性を持たせつつ説明していく。言語学の最も根本的な「言語を記述する」という営為の魅力をあますところなく伝えた、筆者の言語学者としての悪戦苦闘の記録。

著者のコメント:本シリーズの文法書は、執筆者みずからが現地調査に赴き、そこで得た一次資料をもとに研究し明らかにした文法体系をまとめた、いわゆる少数言語の記述文法書です。本シリーズの特徴は、これまでに十分には調査研究されてこなかった言語(方言)を対象としていること、対象言語の文法全体(音韻論を含む)を記述していること、信頼できる内容であり、専門性を高く保ちつつも、当該言語の専門家でない方にも理解できる記述となっていることです。(シリーズ記述文法編集委員会より)

※ 本書は、アジア・アフリカ言語文化研究所「多言語・多文化共生に向けた循環型の言語研究体制の構築」(LingDy3プロジェクト)が中心となり、記述文法書をシリーズとして出版することが企画され、同研究所にこのシリーズの編集委員会を置き,くろしお出版から『シリーズ記述文法』として刊行されることになったものです。