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東京外大教員の本

dm_publication2018年以降に刊行された東京外国語大学教員の図書や本学研究プロジェクトの成果出版図書を紹介します。

▶︎東京外国語大学教員へのお願い

| 新着情報


2018/12/14

中央ユーラシア史研究入門

book181214_1小松久男・荒川正晴・岡洋樹編
山川出版社 2018/4刊行

内容の紹介:本書は、テュルクやモンゴルなどの騎馬遊牧民の活動で知られ、世界史の変動の震源地となった中央ユーラシアの歴史に関する内外の研究動向をまとめたものです。全9章からなり、第1章の「騎馬遊牧民の誕生と発展」から第9章の「帝政ロシア・ソ連時代およびソ連解体後」までの各章によって、広大かつ多彩な中央ユーラシア史の展開のほぼ全体をカバーしています。この一冊で、日本のみならず世界の研究者がこれまでどのような研究をしてきたかを一望することができます。そうすれば、これから新しい研究テーマを着想するのに役立つことでしょう。

著者等のコメント:この本は、これから中央ユーラシア史の研究に取り組みたいと考えている人、あるいは中央ユーラシア史研究の今を知りたいという人のために書かれています。これを手がかりに、中央ユーラシア史研究の大海に乗りだす人が増えてくれることを願っています。私は冒頭の総説を担当しました。


2018/12/14

Japan on the Silk Road :Encounters and Perspectives of Politics and Culture in Eurasia

book181214_2
Selçuk Esenbel
Brill, 2018

内容の紹介:本書はグローバル・ヒストリーの観点から近代日本をとらえた論集で、とくにシルクロード、すなわち近代日本および日本人が関心を向けた中央ユーラシア地域に関わるテーマを扱っています。ここでいう中央ユーラシアとは地中海沿岸から東アジアにおよぶ広大な空間で、16篇の論稿は日本の外交や軍事戦略から日露戦争の影響、探検、建築、文学、学術研究など多彩なテーマに及んでいます。編者のセルジュク・エセンベル教授は長年にわたってトルコ(イスタンブル)のボアジチ大学を拠点に日本研究を牽引されてきた先生です。論集には日本外交史の研究で著名なイアン・ニッシュ先生をはじめ、世界各国の研究者が寄稿しています。この本をひもとけば、近代日本の知られざる側面を発見できることでしょう。

著者等のコメント:小松久男(世界言語社会教育センター特別教授)
私は第6章のAbdurreshid Ibrahim and Japanese Approaches to Central Asia を書きました。主人公は帝政ロシア領内の西シベリアに生まれたイスラーム教徒のタタール人で、汎イスラーム主義のジャーナリストとして、まさにユーラシアを股にかけて活動した人物です。1909年に来日して詳細な日本旅行記を著し、1933年に再度来日して日本の対イスラーム政策に協力し、第二次世界大戦末期の1944年、東京に没しました。彼の墓は外語大に近い多磨墓地にあります。本書は個人で買うには高価ですが、幸いにして図書館に収められています。


2018/12/13

1861年 改革と試練の時代(歴史の転換期9)

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小松久男編
山川出版社 2018/10刊行

内容の紹介: 本書は、世界史の大きな転換期となった年代を取り上げて、そのとき各地域の人々はどのように生き、その時代をどのように見ていたのかを具体的な事例に即して考えてみようというシリーズの一冊です。1861年といえば、中国では清朝が英仏軍の北京進撃や太平天国の攻勢という危機に直面し、ロシアでは農奴解放をはじめとする大改革が進行する、オスマン帝国ではやがて憲法を起草する官僚ミドハト・パシャが地方行政で頭角を現し、日本ではロシア軍艦が対馬に居座って国際問題へと展開する、イタリアではようやく国家の統一がなると同時に多くのイタリア人が海外に移住するという、さまざまな事態が起こっていました。読者は1861年以降の展開を知っているわけですが、いったんこの年の各地にタイムスリップして、同時代の人々の思い、時代の空気にふれることができます。

著者等のコメント:私が担当した総論では、この時期にロシアの外交官として活躍したイグナチエフに注目しました。1861年前後、彼は対中央アジア政策の立案に関与したほか、清朝と英仏の間の仲介の見返りに露清間の北京条約を締結して沿海州を獲得、駐オスマン帝国大使としては改革派のミドハト・パシャと対抗、さらに樺太の国境画定をめぐって幕府の使節と交渉した人物であり、まさに英露間のグレートゲームの一方の主役と言えるでしょう。


2018/12/13

近代中央アジアの群像―革命の世代の軌跡(世界史リブレット人 88)

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小松久男
山川出版社 2018/9刊行

内容の紹介: 20世紀の初頭、ロシア、イラン、オスマン帝国に起こった一連の革命は、ロシア統治下のムスリム知識人に大きなインパクトを与えました。そして1917年のロシア革命を機に、彼らは新方式学校による教育を中心とした改革運動から革命運動へと突き進んでいきます。本書は、この運動の先頭に立った4人の人物の軌跡に光をあてています。彼らの多くは非業の死を遂げましたが、ソ連解体後は再評価が進んでいます。表紙にあるサマルカンドの初等学校の生徒たちも、それぞれに激動の時代を生きたことでしょう。

著者等のコメント:中央アジアの近現代史は、日本ではまだあまり知られていませんが、本書で取り上げたベフブーディー、フィトラト、ヴァリドフ、ルスクロフの生涯をたどると、革命の時代の劇的な変容の光と影が浮かび上がってきます。中央アジアが経験した大きな変革を知るための一助となれば幸いです。


2018/12/13

ウズベキスタンを知るための60章

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帯谷知可編
明石書店 2018/5刊行

内容の紹介: 本書は、明石書店のエリア・スタディーズ・シリーズの一つで、中央アジアの国ウズベキスタンの自然と歴史、人々の暮らしと社会、文化・芸術、政治・経済・国際関係、そして日本とのかかわりに関する60章の解説から構成されています。中央アジアのオアシス地域に継承されてきた文化、動態に満ちた歴史、ソ連から独立してほぼ四半世紀を過ぎたウズベキスタンの変容と課題、こうしたテーマについて知りたいという読者には絶好の入門書と言えます。

著者等のコメント:小松久男(世界言語社会教育センター特別教授)
ウズベキスタンに関する最新の情報がまとめられており、どこからでも読むことができます。私は近現代史に関する「ロシア革命とジャディード知識人―啓蒙・改革から革命へ」、「ソ連の記憶」、「ウズベキスタンのイスラーム―悠久の伝統と現代」、「宗教と政治―復興するイスラームとどう向き合うか」の4つの章を担当しました。


2018/12/11

日本語教育のミカタ 対話で具体的に学ぶ新しい教科書

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荒川洋平
凡人社 2018/12/1刊行

内容の紹介: 「具体的な日本語の教え方」と「教える上で大切な日本語の知識」を他のどの本よりもわかりやすく提示する教科書。 ウェブサイトで公開する「著者による日本語の授業動画」で、実際の授業をより具体的にイメージすることができます。 本文は教師と3人の学生によるやり取りで構成され、登場人物とともに楽しく日本語教育を学んでいくことができます。

著者等のコメント:ボランティアで地域の日本語教育支援に携わる方や日本語教育を専攻としないけど興味がある学生にぴったりの1冊ができました。外国人日本語教師のロン先生と、日本語教育になじみのない3人の学生との楽しい対話の中で、具体的な日本語の教え方や基礎知識がどんどん頭に入ってきます。動画もあるので「読んで・見て・笑って・わかる」、1冊で4倍お得な日本語教育入門書の決定版です。


2018/12/06

プリンストン大学図書館所蔵西夏文妙法蓮華経 写真版及びテキストの研究
Tangut Version of the Lotus Sutra in the Collection of Princeton University Library: Facsimile, Text and Linguistic Studies

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荒川慎太郎
創価学会・東洋哲学研究所 2018/11/30刊行

内容の紹介:プリンスン大学図書館に所蔵される西夏文『法華経』第4巻全文をテキスト化し、全文の訳・注・索引を作成した。文献の解題と言語学的研究部分も加え、この部分は英訳も持つ。巻末に全文の、美麗なカラー図版を挙げた。

著者等のコメント:本書は平成28~30年度日本学術振興会科学研究費補助金・基盤研究(B)「『方向接辞』からみたチベット・ビルマ語系言語の諸相」(代表:荒川慎太郎),及び平成28~30年度戦略的国際研究交流推進事業費補助金・頭脳循環を加速する戦略的国際研究ネットワーク推進プログラム「危機言語・少数言語を中心とする循環型調査研究のための機動的国際ネットワーク構築」などの成果です。


2018/11/02

シベ語のモダリティの研究

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児倉徳和
勉誠出版 2018/3/刊行

内容の紹介:中国・新疆ウイグル自治区で話されるシベ語は、いまなお話され続ける満洲語の一変種として知られる。シベの人々の頭の中で、情報や知識はどのように処理されているのか? シベ語は彼らの思考とどのように関わっているのか?
フィールドワークで出会った日常のやりとりを手掛かりに、日本人研究者がシベの人々の思考とシベ語の文法システムを探る、モダリティ研究への挑戦。
ことばのダイナミクスを存分に味わうことのできる一冊。


2018/10/22

フランツ・ローゼンツヴァイク 生と啓示の哲学

book181022

丸山空大
慶應義塾大学出版会 2018/10/25刊行

内容の紹介:43歳で他界したドイツのユダヤ人思想家、ローゼンツヴァイク。彼の若年期から晩年までの思想的展開とその到達点を明らかにする。初期におけるドイツ近代史への関心、キリスト教への改宗の断念、主著『救済の星』における独自の救済史的思想の展開―。さらに後期思想における、一人ひとりの日常の生と宗教の関係の追究、自ら力を傾けたユダヤ教の宗教教育の実践等から、彼の思考の深化と全体像を解明する。

著者等のコメント:これまで行ってきたローゼンツヴァイク研究の総決算です。未公刊資料も用い、彼の思想の発展と展開を丁寧にあとづけました。20世紀初頭のドイツユダヤ人社会の中心人物でもあった彼の目を通して、当時のドイツ文化やユダヤ人社会の状況が明らかになるとともに、ひとりの近代的西洋知識人が宗教へと接近していく様子が克明にたどられます。お手に取っていただければ幸いです。


2018/8/23

動詞の「時制」がよくわかる英文法談義

book180824_1宗宮喜代子、糸川健、野元裕樹
大修館書店 2018/8/10刊行

内容の紹介:巷の英語学習教材で「時制」と呼ばれる項目について、大学生とその指導教員の対話を通じて理解を深めていきます。willとbe going toとbe -ingの表す意味の違い、時制と相の区別、i’m lovin’ itの表現効果、仮定法などのトピックが扱われています。また、各章に続くコラムでは、英語についての対話に関連して、マレー語(マレーシア語)、インド英語、ヒンディー語、アメリカ先住民語、タガログ語(フィリピン語)、日本語の時制・法・相について紹介されており、標準英語以外の世界の言語にも触れられます。

著者等のコメント:本学名誉教授、本学大学院卒業生、本学現役教員による共著です。高校生から一般の英語学習者、英語教員を主な読者に想定して執筆しました。複雑な文法項目を過剰な単純化なしに正確に伝えるために、対話形式にしました。そして、世界の27言語の専攻を持つ本学の関係者による書籍として、英語の学習から発展して、世界の多様な言語・文化にも関心が広がるようになっています。


2018/6/19

「大分岐」を超えて:アジアからみた19世紀論再考

book180619_2.jpg秋田茂(編)
ミネルヴァ書房  
2018年2月刊行

内容の紹介:近代アジアの経済発展をグローバルヒストリーの観点から再考し、ポメランツの「大分岐」論を相対化し、新たな世界史像を提示する。従来、欧米中心の近代世界システムに従属的に包摂されたとされるアジアを、南・東南・東アジアでの農業開発・工業化に着目しながら、相対的自立性という観点から再考する。18世紀の「大分岐」により19世紀が「ヨーロッパの世紀」になったとするポメランツ「大分岐」論を相対化し、20世紀後半の「東アジアの経済的再興」の起源を明らかにする。

著者等のコメント:宮田敏之(大学院総合国際学研究院・国際社会学部・教授:タイ社会経済史・東南アジア経済研究)
「第9章 タイ米経済の発展と土地法――1901年土地法制定とその影響」


2018/6/19

Asia and the History of the International Economy Essays in Memory of Peter Mathias

book180619_1A.J.H. Latham, Heita Kawakatsu(eds.)
Routledge  
2018年2月刊行

内容の紹介:This collection of essays sheds new light on many aspects of Asia’s integration with the international economy. H.I.H. Crown Prince Naruhito discusses the problems of controlling water in the interest of urban development. He first examines the problems encountered on the River Thames in relationship to the growth of London in the eighteenth century, and then relates his findings to Japan where similar problems arose with respect to the expansion of Edo (Tokyo).
Other chapters looking at the eighteenth century examine the development of plant collecting in Asia and the wider world in the interest of the economy and leisure, Japan’s connections with the outside world by way of the Dutch East India Company (VOC), and the Dutch acquisition of the knowledge of the Japanese language at their base at Dejima Island, Nagasaki. India features next with a chapter showing how India was crucial in initiating the industrial revolution in Britain, by stimulating British manufacturers to copy the fine textiles made by hand loom weavers there. This is followed by a chapter showing how in the late nineteenth century India was the central pivot in the entire international economic system, based on its trading surplus with China. Other discussions trace the role of Scotland as a centre of heavy industry and shipbuilding, with Scottish companies dominating the shipping lanes of Asia.
A further chapter shows how British connections with Asia, in this case Shanghai, brought problems of debt and non payment, and outlines the steps taken to try to control the situation. Elsewhere problems arose in Bangkok over the quality of rice being supplied to European merchants in the 1920s, leading to a decline in sales. Finally there is a discussion of Japanese commercial policy towards Africa in the inter-war period. This book will be of interest and use to students, researchers, and general readers interested in Asia’s role in world economic development.

著者等のコメント:
宮田敏之(大学院総合国際学研究院・国際社会学部 教授:タイ社会経済史・東南アジア経済研究)
Toshiyuki Miyata, Chapter 11: “The Dispute over the Quality of Rice Exports from Siam to Europe in the 1920s”


2018/4/19

現代ドイツにおける学校制度改革と学力問題
-進む学校の終日化と問い直される役割分担のあり方-

book180416_1.jpg布川あゆみ(著)
晃洋書房  
2018年2月20日刊行

内容の紹介:「学力向上」が叫ばれたにもかかわらず、ゆとりをつくりだすという学校制度改革になぜドイツは取り組むことになったのか。
戦後史・社会変動・教育を構成する枠組みから実証的に検討し、「PISAショック」を受けてのドイツにおける教育のあり方の変容を論じる。現代的な関心にこたえる1冊。

著者のコメント:本書は、移民の増加や学力低下が社会問題化したドイツ社会で、この社会「問題」に対して、教育的にどのように解決が図られようとしているのかという問題意識から出発しています。学術書ではありますが、できる限り読みやすいものとなるよう、検討を重ねました。写真も掲載しています。一度手に取っていただけたら、とてもうれしいです。


中国北方危機言語のドキュメンテーション: ヘジェン語/シベ語/ソロン語/ダグール語/シネヘン・ブリヤート語

book180416_1.jpg李林静・山越康裕・児倉徳和(共編)
(他に執筆者として風間伸次郎・山田洋平)

三元社  
2018年4月20日刊行

内容の紹介:本書は、中国北方(東北部&西北部)で使用されるツングース語族(ヘジェン語、ソロン語、シベ語)・モンゴル語族(ダグール語、シネヘン・ブリヤート語)のいくつかの言語のテキスト(言語資料)を原文・グロス・日本語訳で提示したものです。これによりその民話や語りから話者の世界観を知ることができるだけでなく、同時に言語構造も把握できるようになっています。

著者のコメント:少数言語を研究対象とする言語研究者が取り組んでいる研究に「言語の包括的記録(言語ドキュメンテーション)」があります。当該言語の音声を(とくに近年では映像とともに)記録し、情報を付与して加工・公開し、恒久的に保存しようという研究手法です。こうして蓄積される言語資料を文字化したものの一つがテキスト(言語資料)です。無文字言語で、なおかつ音韻・文法構造が解明されているとはいいがたい言語のテキストを成形するためには、当該言語の体系を把握したうえで、論理的に分析する必要があります。この分析から、言語研究者自身の文法観をうかがい知ることができるといってもよいでしょう。
※本書に収録したテキストの一部の音声を、スマホアプリLingDyTalkを通じて聴くことができます。LingDyTalkはアジア・アフリカ言語文化研究所基幹研究「多言語・多文化共生に向けた循環型の言語研究体制の構築」(LingDy3プロジェクト)が開発した、数字認識機能を応用した音声再生アプリです。少数言語の貴重な音源をスマホを通じて気軽に楽しむことができるツールです。
詳細はプロジェクトサイト中の下記リンク先をご覧ください:
https://lingdy.aa-ken.jp/publications/tools-and-archives/3980


ニューエクスプレス アムハラ語

book180416_1.jpg

若狭基道(著)
白水社  
2018年3月25日刊行

内容の紹介:エチオピアで共通語として広く話されているアムハラ語の入門書。

著者のコメント:アムハラ語の文法全体を扱ったものとして日本で初めての、一般書店に流通している音声教材付きの入門書です。伝統的な記述に囚われることなく、一見複雑な動詞の活用を整理してみました。従属節表現や動詞派生形も可能な限り割愛しておらず、実用的な作りになっています。小難しく無味乾燥な、読者を選ぶ本ではありません。偏見や思い込みを取り去って手にして戴ければ幸甚です。


はじめて学ぶ文化人類学:人物・古典・名著からの誘い

book180403_2岸上伸啓(編)
ミネルヴァ書房  
2018年4月30日刊行

内容の紹介:(出版社HPより:http://www.minervashobo.co.jp/book/b352145.html
19世紀後半から現在まで150年に及ぶ文化人類学の展開の軌跡を、主要な研究者の生涯と業績・著作に焦点を当て読み解く。文化人類学の初学者にも最適な入門テキスト。古典から最新の研究動向までカバーし、人類学の大きな学問潮流を捉える道案内(ガイド)を提供する。

著者のコメント:古典から最先端の研究動向まで、文化人類学の研究史を押さえるのに取っつきやすい入門書になっていると思います。私(大石)は、環境人類学の章を担当しました。本学からは、ほかに真島一郎先生(国際社会学部)、吉田ゆか子先生(AA研)、山本真鳥先生(本学非常勤講師/法政大学)が寄稿されています。


バスク地方の歴史ー先史時代から現代までー

book180403_2マヌエル・モンテロ(著)、萩尾生(訳)
明石書店(世界歴史叢書)  
2018年2月28日刊行

内容の紹介:(出版社HPより:http://www.akashi.co.jp/book/b353506.html
独自の言語と文化を有する欧州の異郷バスク地方の歴史を、スペイン領を中心に古代から現代までたどる通史。一度も領域国家をもつことのなかったバスク人の歴史を平易な記述と豊富な図版とともに解き明かす。スペインで最も版を重ねた入門書の決定版。

訳者のコメント:「バスク地方」の歴史叙述をめぐっては、「バスク地方」という空間領域の設定や、叙述に用いる言語の選択など、政治性がつねに付随します。本書の著者は、現代史、わけてもスペイン領バスク地方の近現代史を専門とする、バスク大学教授です。フランコ体制下の1955年に現バスク自治州の小漁村に生まれた著者は、バスク・ナショナリズムとは距離を置いた立場から、バスク語ではなくスペイン語を駆使して、スペイン領のバスク地方(ナバーラ地方を含む)の通史を、先史時代から現在まで活き活きと描写しています。


欠測データ処理:Rによる単一代入法と多重代入法

book180403_2高橋 将宜・渡辺 美智子 (著)
共立出版  
2017年12月9日刊行

内容の紹介:一般的に社会科学で扱うデータは,調査・観測データであることが多く,無回答のために欠測が生じることが多い.欠測データは適切に処理しなければ,解析結果に偏りが生じることがある.多重代入法は,尤度解析法と並んで最も汎用的な欠測データ解析法であるが,これまでの書籍では理論的な解説が主で,実際の応用事例や具体的な手順の記述が少なかった。そのため,実証分析を行う社会科学者や実務者が多重代入法を実際に活用することにはハードルがあった。本書はワンポイントとして代入法を中心に解説している。平均値のt検定,重回帰分析,ロジスティック回帰分析,時系列分析,パネルデータ分析といった社会科学において頻繁に使用される分析手法に関して,データに欠測が生じている場合に,多重代入法を用いてどのように欠測データを処理していけばよいかを具体的に示している。

著者のコメント:本書は,多重代入法に特化した本邦初の書籍です。徹底して実際的な視点から執筆した統計学の書籍で,扱った手法のすべてについて,統計環境Rにおいて実データによる解析を行っています。また,解析に用いたデータとRコードも掲載しているので,読者は本書に示された手順を再現しながら,欠測データの解析法を学んでいくことができます。


シリーズ記述文法1 南琉球宮古語伊良部島方言

book180403_2下地 理則 (著)
くろしお出版  
2018年4月6日刊行

内容の紹介:2009年にUNESCOから発表された消滅危機言語のリストのうち、日本で話されている言語は8つ含まれている。本書ではそのうちの1つ、南琉球諸語に属する宮古語の伊良部島方言について、音韻から品詞・形態・構文に至るまでを体系的に記述した文法書である。言語学者から見て興味の尽きないこの言語の体系を、その共時と通時に目を配りながら内的一貫性を持たせつつ説明していく。言語学の最も根本的な「言語を記述する」という営為の魅力をあますところなく伝えた、筆者の言語学者としての悪戦苦闘の記録。

著者のコメント:本シリーズの文法書は、執筆者みずからが現地調査に赴き、そこで得た一次資料をもとに研究し明らかにした文法体系をまとめた、いわゆる少数言語の記述文法書です。本シリーズの特徴は、これまでに十分には調査研究されてこなかった言語(方言)を対象としていること、対象言語の文法全体(音韻論を含む)を記述していること、信頼できる内容であり、専門性を高く保ちつつも、当該言語の専門家でない方にも理解できる記述となっていることです。(シリーズ記述文法編集委員会より)

※ 本書は、アジア・アフリカ言語文化研究所「多言語・多文化共生に向けた循環型の言語研究体制の構築」(LingDy3プロジェクト)が中心となり、記述文法書をシリーズとして出版することが企画され、同研究所にこのシリーズの編集委員会を置き,くろしお出版から『シリーズ記述文法』として刊行されることになったものです。