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観る、感じる、考える―難民の現状を写す写真展

2018.3.2公開

世間の関心が薄れた今も、中東や北アフリカから海を越えて逃れようとする難民は後を絶ちません。東京外国語大学では、難民の窮状を捉えた写真展「エクソダス-地中海を渡る脱出-」を開催しています。

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概要

2002年から2015年の間、マルタ島沿岸にはアフリカからヨーロッパ大陸へ逃れようとする数千人の移民が漂着した。小さな島の独立国であるマルタは、移民がたどる地中海ルートのちょうど真ん中に位置する。絶望のなかにある移民は辛うじて航行可能な粗末な小船に乗り、イタリアにたどり着こうと苦闘する。地球上で最も危険なルートの1つであるこの地中海で、数千人にのぼる人々が溺死してきた。

ダリン・ザミット・ルピ(Darrin Zammit Lupi)氏はその間、マルタ島周辺の地中海で不法移民に起きたドラマ、悲劇、不安、そして時には喜びの涙を記録し、世界中へ発信し続けた。ルピ氏はマルタ沖合での移民の救助、海や陸で起きた彼らの悲劇、マルタの海岸への上陸を見守ってきた。移民収容センターでともに時間を過ごし、そこから解放された後の彼らの生活を広範に渡って取材してきた。ルピ氏はコミュニティにおいても移民と時間をともにし、ヨーロッパに移住を認められた数少ない幸運な人びとのその後を密着取材している。

2014年末、ルピ氏は「Isle Landers(島に上陸する人びと)」というタイトルの写真集を自費出版した。この出版の最大の目的は、肌の色の違いを超えて、今この瞬間も人々に起きている、つまるところ我々と違いのない人間が直面する現実について考えるよう促すことである。この写真集の出版以後も、ルピ氏はリビアからヨーロッパへ渡る移民の窮状を記録し続けている。また、ギリシア諸島からバルカン半島を横断する人びとの足取りを追い続けている。

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略歴

ダリン・ザミット・ルピ(Darrin Zammit Lupi)Lupi.png
マルタ出身のフォトジャーナリスト。国際通信社ロイターの契約カメラマンとして、地中海の移民危機をつぶさに記録してきた。

ルピの写真は新聞、雑誌、書籍として出版され、オンラインやテレビで世界中に発信されている。2014年には、移民を撮りためた写真集、「Isle Landers(島に上陸する人びと)」が出版された。その写真展は、マルタ、フランス、ルクセンブルグ、オーストラリア、米国で開催されている。

アンナ・リンド財団(The Anna Lindh Foundation)から2017年、地中海ジャーナリズム写真賞を授与され、英国写真家協会(The Societies for Photographers in the UK)は2016年、ルピをフォトグラファー・オブ・ザ・イヤーに選出した。

マルタ・ジャーナリズム賞の常連受賞者でもある。ルピはロンドン芸術大学で、フォトジャーナリズムとドキュメンタリー写真の修士号を取得した。

移民の取材の他に、東南アジアで発生した津波の悲劇、2011年のリビア蜂起、HIV/AIDSに特に重点を置いたミレニアム開発目標に関連する問題などを取材している。

ルピ氏のフォト・ギャラリー
各国で開催された写真展『Isle Landers(島に上陸する人びと)』の記録

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写真展・ギャラリートーク・講演会のご案内

写真展
・開催日時:2018年1月30日(火)~2018年3月11日(日)10:00- 17:00
(休場日)土日祝日 ※最終日3月11日は開場
・会場:東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所 1階資料展示室
・入場無料

写真展の開催に合わせて、写真家ダリン・ザミット・ルピ氏を招き、ギャラリートーク・講演会を開催します。

ギャラリートーク
・開催日時:2018年3月7日(水)12:00集合 13:30終了
・会場:東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所 1階資料展示室
(3階小会議室(302)にお集まり頂いてからルピ氏とともに出発します)
・使用言語:英語(日本語逐次通訳付き)
・参加費無料・事前申込み不要

講演会
・開催日時:2018年3月9日(金)(17:00開場)17:30開始 19:30終了
・会場:東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所 3階大会議室(303)
・使用言語:英語(日本語逐次通訳付き)
・参加費無料・事前申し込み不要
・プログラム:
17:30- 開会挨拶(近藤信彰・AA研教授/人間文化研究機構NIHU「現代中東地域研究」事業・AA研拠点代表)
17:35- 企画の背景説明・講演者紹介(錦田愛子・AA研准教授)
17:45- ダリン・ザミット・ルピ氏の講演(逐次通訳付き)
18:55- 質疑応答
19:25- 閉会挨拶

アクセス別ウインドウで開きます / キャンパスマップ別ウインドウで開きます

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【主催】東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所フィールドサイエンス研究企画センター(FSC)
中東イスラーム研究拠点(人間文化研究機構NIHU「現代中東地域研究」事業)
【共催】科研費・国際共同研究加速基金(錦田愛子 16KK0050)
問い合わせ先: aa_nihu_event@tufs.ac.jp

担当所員:錦田愛子(東京外国語大学アジア・アフリカ言語文化研究所・准教授)
専門はパレスチナ/イスラエルを中心とする中東地域研究。近年はヨーロッパのアラブ系移民/難民を調査している。著作に「中東・北アフリカの移民/難民研究」私市正年ほか編『中東・イスラーム研究概説―政治学・経済学・社会学・地域研究のテーマと理論』明石書店,2017年;「北欧をめざすアラブ系「移民/難民」―再難民化する人びとの意識と移動モデル」『広島平和研究』第4号,2017年;『移民/難民のシティズンシップ』編著,有信堂高文社,2016年など。

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取材依頼

東京外国語大学 総務企画課 広報係
TEL:042-330-5151
E-mail:soumu-koho[at]tufs.ac.jp([at]を@にかえてご連絡ください)