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連続講演会「国際日本研究の現在−文学・文化・社会」

う2016.10.18公開

東京外国語大学大学院国際日本学研究院では、10月より来年2月にかけて「国際日本研究」と題する連続講演会「国際日本研究の現在−文学・文化・社会」(全9回)シンポジウム「言葉・物・世界」を行います。

連続講演会は、言語・文化・文学・社会にわたる「日本」に関わる幅広い領域を、CAASユニットを中心とした協定校をはじめとする海外研究機関との協力のもとで国際的な視野から研究していく大学院国際日本学研究院の特質に沿う形で、一つの分野に限らず多方面における第一線の専門家を招いてその研究の一端を話していただくことで、最先端の知見が聴衆に示されるとともに、本研究院の教員・院生・学生にも広く刺激を与えることが期待されます。

連続講演会につづいて2017年2月にシンポジウム「言葉・物・世界」を開催します。これは、2017年が夏目漱石と正岡子規の生誕150周年に当たっていることもあって、企画したものですが、日本が本格的に国際社会に直面した明治という時代を生き抜き、言葉を手だてとする表現によって「世界」と交わろうとした二人の文学者を対象とするシンポジウムで、連続講演会の趣旨・内容とも強い連関をもち、本学の教員三名とCAASユニット教員を含む海外からの二人の登壇者がそれぞれの視点から行う発表は、まさに「国際日本研究の現在」の雛形ともいうべき意味をもっているといえます。

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第5回は、日本近代文学研究者のキース・ヴィンセント先生

講演題目「子規と漱石――俳句と憑依

2017年1月10日(火)17:40-19:00(17:00開場)@東京外国語大学 研究講義棟226教室

一般公開、事前申込不要、使用言語:日本語、入場無料

講演要旨:150年前に生まれた夏目漱石と正岡子規は同い年の極めて親しい友人同士でした。結核との長い闘病の末で子規が1902年9月に死んだ時、漱石はロンドンで留学中。二ヶ月後の「子規死す」の報にひどく打ちのめされた漱石は、晩年まで子規に対する思いを持ち続けます。この子規との消えない絆はしかし、単にメランコリックなものではなく、文学的に生産的な絆でもありました。本講演では、漱石の小説の深層に漂う子規への思い出や、その散文のなかに不思議に出没する子規の俳句を読み解き、男性同士の親密性の意味や可能性が変遷する日本近代文学史を「憑依」というキーワードで考え直します。

%e3%82%ad%e3%83%bc%e3%82%b9プロフィール:1968年生まれ。ボストン大学准教授。日本近代文学におけるクィア・セオリ一の担い手として、夏目漱石、正岡子規、三島由紀夫などの作品を「男性同士の絆」(ホモソシアリティ)の観点から論じた論考など多数上梓。近著に Queer Reading and Japanese Literature (Routledge Handbook of Modern Japanese Literature, 2016)等。日本語で読める文献としては、雑誌『批評空間』、『現代思想』、『文学』所収の論文、共著『ゲイ・スタディーズ』(青土社、1997年)がある。現在は、夏目漱石についての論文集を日本語と英語の双方で編纂・監修しているほか、子規と漱石の関係を「クィアな友情」として考え直すところから始まる、新しい子規・漱石論を執筆中。


第6回は、フランス国立東洋言語文化大学INALCOの寺田澄江先生

講演題目「日本文学をフランスで研究すること、教えること

2017年1月17日(火)17:40-19:00(17:00開場)@東京外国語大学 研究講義棟226教室

一般公開、事前申込不要、使用言語:日本語、入場無料

講演要旨:日本の古典について(主として王朝文学)、フランスのパリという風土の中で、フランス人の同僚とともに、研究するという行為はどのようなことなのか。
また、その研究をフランス人の学生に、多くはフランス語という言語を通して教育するというのはどのようなことなのか、といった内容になると思います。
長年のフランスでの研究・教育研究を、イナルコ御定年という節目を迎えられ、さらにパリにおける古典研究のまとめ役という位置を保ち続ける講演者ならではの内容になると思います。

terada_inalcoプロフィール:1948年生まれ。国際基督教大学卒業後渡仏、パリ第三大学にて比較文学で修士号、パリ第七大学にて日本古典文学で博士号を取得。ボルドー大学を経て1997年から2016年までINALCOに勤務、日本学部教授を勤め、現在名誉教授。日本の和歌を中心に、連歌や俳諧、さらには、平安朝散文学等、日本古典文学の様々な分野の研究を、パリを拠点に発信する。パリにおける源氏物語研究のプロジェクトの責任者でもある。著書にFigures poétiques japonaises — La genèse de la poésie en chaîne —(『和歌の修辞—連歌生成への道』、Collège de France、2004年)、共編著『源氏物語とポエジー』(青簡舎・2015年)など。


第7回は、言語学者の池上嘉彦先生

講演題目「日本語はという言説をめぐって―文化的偏見、言語的相対論、言語の進化との関連での考察

2017年1月21日(土)13:00-14:30(12:30開場)@留学生日本語教育センター さくらホール

一般公開、事前申込不要、使用言語:日本語、入場無料

講演要旨:話の発端は、遡って1975年の秋、ドイツに滞在中、ある時ふと思い立ってバスク民族の人たちの住まう町、フランスのバイヨンヌを訪れた時のことです。バスク民族博物館のもっとも広い展示室に入ったら、バスク民族の歴史が素朴な手書きでの絵解きの形で壁四面に張りめぐらされていました。まず、その冒頭の部分に眼をやった瞬間、立ちすくんでしまいました。富士山と覚しき山を背景に悪魔サタンが踊っているかのように描かれ、その下の説明に(フランス語で)「悪魔のサタンはかつて日本にいた。その後で、バスクの土地へやって来たのである。」と記されているのです。館員をつかまえて尋ねてみましたが、戻ってくるのは「よくわからない」という答えばかりでした。講演の前半では、この話の後日談を紹介させていただきます。当初は、(欧米至上の発想に由来する)余りにも素朴な言語的偏見ということで一件落着と思えたのですが、それが実は単純な笑い草どころか、恐ろしい陰険な企みが仕組まれうるものであったことをさらに知った時は、また唖然としてしまいました。講演の後半は、一転して、ごく真面目な話、現代の言語学の立場からして、日本語いう言語がどのような言語として特徴づけられうるかについて、いくつかの考察をお話してみたいと思っています。十分な結論が出せるまでにはまだまだ時間のかかる問題であることには間違いないでしょうが、グローバルなコミュニケーションの波に否応なしに向かい合うことになる現在のような状況のもとでは、ぜひ自分なりに思いを致しておいてよい問題であろうかと思います。

ikegami20170121プロフィール:1934年京都市の生まれ。東京大学名誉教授、昭和女子大学名誉教授、日本認知言語学会名誉会長、東京大学で英語英文学(B.A., M.A.)、Yale大学大学院で言語学(M.Phil., Ph.D.)を専攻。インディアナ大学、ミュンヘン大学、ベルリン自由大学、チュービンゲン大学、北京日本学研究センター、マサリク大学(チェコ)などで客員教授。フンボルト財団、ブリティッシュ・カウンシル、フルブライト財団、ロングマン社の研究員として独英米の大学に滞在。著者:『英詩の文法』、『意味論』、『する」と「なる」の言語学』、『ことばの詩学』、『詩学と文化記号論』、『記号論への招待』、『〈英文法〉を考える』、『日本語と日本語論』、『自然と文化の記号論』、『英語の感覚・日本語の感覚』など。翻訳:クヮークほか『現代英語文法』、エーコ『記号論』、ウンゲラー・シュミット『認知言語学入門』など。

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連続講演会+シンポジウム「国際日本研究の現在—-文学・文化・社会—-」全日程

日程 講演者名 会場
1 2016年10月24日(月)
17:40-19:00
(17:00開場)
リービ英雄(作家)levy%e5%86%99%e7%9c%9f
「翻訳と創作の人生」講演要旨:『万葉集』の研究と翻訳で出発したリービ英雄氏は古代の日本語の世界に分け入り、日本人の情感と感性を歌った『万葉集』の全歌を鮮やかな英語に移した業績で全米図書賞を受賞している。1990年代からは日本語での小説の創作を手がけ、『星条旗の聞こえない部屋』で野間文芸新人賞を、『千々にくだけて』で大佛次郎賞を受賞するなど高い評価を受け、現代を代表する作家の一人として活躍している。その幅広い領域での表現活動の軌跡と全容を語る。
東京外国語大学 研究講義棟 101教室
2 2016年11月12日(土)
13:00-14:30
(12:30開場)
%e3%82%ac%e3%83%bc%e3%82%bf%e3%82%a4%e3%82%b9%e5%85%88%e7%94%9fクリストファー・ガータイス(ロンドン大学SOAS・日本近現代史)
「イギリス・アメリカで日本について教えること―なぜ外国で日本を勉強するのか」講演要旨:ヨーロッパ諸国やアメリカでは、毎年、数千人もの学生が日本について何かを勉強しています。日本文化や社会についての講義を一コマだけとる学生もいれば、3・4年間か、あるいはそれ以上の年月を費やして日本語を勉強する学生もいます。 これはなぜでしょうか?なぜ海外の学生は日本について何かを知ろうとするのでしょうか?学生たちはいったい、何を知りたいと望んでいるのでしょうか?日本・日本語の知識は学生たちの人生にどんな意味があるのでしょうか。この講演では、私たちがすでに知っていることだけでなく、これまであまり知られてこなかった、日本について勉強するイギリス・アメリカの若者像の一端を紹介しようとするものです。
東京外国語大学 本部管理棟大会議室
3 2016年12月10日(土)
13:00-14:30
(12:30開場)
%e4%ba%95%e4%b8%8a%e7%ab%a0%e4%b8%80%e5%85%88%e7%94%9f井上章一(国際日本文化研究センター・建築史)
「ソビエト史学と日本の歴史」講演要旨:ソビエトの日本研究に触れつつ、日本史を「京都/関東」といった日本内部の視点ではなく、広くユーラシアの規模で捉えなおす。
東京外国語大学 研究講義棟115教室
4 2016年12月22日(木)
17:40-19:00
(17:00開場)
ダミアン・フラナガン(日本文学研究者)
「小泉八雲の『心』から夏目漱石の『心』へ」%e3%83%80%e3%83%9f%e3%82%a2%e3%83%b3%e3%83%bb%e3%83%95%e3%83%a9%e3%83%8a%e3%82%ac%e3%83%b3講演要旨:小泉八雲の『心』と夏目漱石の『心』は、それぞれ、日本近代文学の最高傑作だが、一見したところでは無関係に見える。しかし、本当にそうであろうか。八雲と漱石は東京帝国大学の英文学講師で、前任者・後任者の関係にあった。その講義が東大の学生たちに高く評価された八雲が解雇され、漱石が八雲の代わりに就任したことが、『三四郎』の広田先生をめぐる学生運動にも反映されている。漱石はロンドンの留学生時代から、八雲の存在を深く意識していた。では一体どういう形で「八雲」が夏目漱石の文学に現れているだろうか。外国人の目をとおして、日本人の外の様子を観察し、日本人の『心』をつかもうとする八雲の『心』は明治28年(1895年)に発表された。そして、大正3年(1914年)、1人の日本人の閉ざされた内面の苦悩を追求する夏目漱石の『心』が発表される。その間の19年間、日本では何が起きていたのか。この講演会で、斬新な「小泉・漱石論」を展開する!
東京外国語大学 研究講義棟227教室
5 2017年1月10日(火)
17:40-19:00
(17:00開場)
キース・ヴィンセント(ボストン大学・日本近代文学)
「子規と漱石―俳句と憑依」%e3%82%ad%e3%83%bc%e3%82%b9講演要旨:150年前に生まれた夏目漱石と正岡子規は同い年の極めて親しい友人同士でした。結核との長い闘病の末で子規が1902年9月に死んだ時、漱石はロンドンで留学中。二ヶ月後の「子規死す」の報にひどく打ちのめされた漱石は、晩年まで子規に対する思いを持ち続けます。この子規との消えない絆はしかし、単にメランコリックなものではなく、文学的に生産的な絆でもありました。本講演では、漱石の小説の深層に漂う子規への思い出や、その散文のなかに不思議に出没する子規の俳句を読み解き、男性同士の親密性の意味や可能性が変遷する日本近代文学史を「憑依」というキーワードで考え直します。
東京外国語大学 研究講義棟226教室
6 2017年1月17日(火)
17:40-19:00
(17:00開場)
寺田澄江(仏国立東洋言語文化大学INALCO・日本古典文学)
「日本文学をフランスで研究すること、教えること」
講演要旨:日本の古典について(主として王朝文学)、フランスのパリという風土の中で、フランス人の同僚とともに、研究するという行為はどのようなことなのか。
また、その研究をフランス人の学生に、多くはフランス語という言語を通して教育するというのはどのようなことなのか、といった内容になると思います。
長年のフランスでの研究・教育研究を、イナルコ御定年という節目を迎えられ、さらにパリにおける古典研究のまとめ役という位置を保ち続ける講演者ならではの内容になると思います。
東京外国語大学 研究講義棟226教室
7 2017年1月21日(土)
13:00-14:30
(12:30開場)
池上嘉彦(言語学者)
日本語はという言説をめぐって―文化的偏見、言語的相対論、言語の進化との関連での考察」講演要旨:話の発端は、遡って1975年の秋、ドイツに滞在中、ある時ふと思い立ってバスク民族の人たちの住まう町、フランスのバイヨンヌを訪れた時のことです。バスク民族博物館のもっとも広い展示室に入ったら、バスク民族の歴史が素朴な手書きでの絵解きの形で壁四面に張りめぐらされていました。まず、その冒頭の部分に眼をやった瞬間、立ちすくんでしまいました。富士山と覚しき山を背景に悪魔サタンが踊っているかのように描かれ、その下の説明に(フランス語で)「悪魔のサタンはかつて日本にいた。その後で、バスクの土地へやって来たのである。」と記されているのです。館員をつかまえて尋ねてみましたが、戻ってくるのは「よくわからない」という答えばかりでした。講演の前半では、この話の後日談を紹介させていただきます。当初は、(欧米至上の発想に由来する)余りにも素朴な言語的偏見ということで一件落着と思えたのですが、それが実は単純な笑い草どころか、恐ろしい陰険な企みが仕組まれうるものであったことをさらに知った時は、また唖然としてしまいました。講演の後半は、一転して、ごく真面目な話、現代の言語学の立場からして、日本語いう言語がどのような言語として特徴づけられうるかについて、いくつかの考察をお話してみたいと思っています。十分な結論が出せるまでにはまだまだ時間のかかる問題であることには間違いないでしょうが、グローバルなコミュニケーションの波に否応なしに向かい合うことになる現在のような状況のもとでは、ぜひ自分なりに思いを致しておいてよい問題であろうかと思います。
東京外国語大学 留学生日本語教育センター さくらホール
8 2017年1月31日(火)
14:20-17:30
(4限5限)
タイモン・スクリーチ(ロンドン大学SOAS・美術史)
「伊勢物語『東下り』―ー江戸絵画におけるその政治的意匠」
東京外国語大学 研究講義棟101教室
9 2017年2月1日(水)
16:00-17:30
(17:00開場)
イリス・ハウカンプ(ロンドン大学SOAS・映画研究)
「良い歴史/悪い歴史―戦時期、映画は過去をどう表象したか、そのイデオロギー的階級性」
東京外国語大学 研究講義棟101教室
10 2017年2月11日(土)
13:30-17:00
(12:30開場)
生誕150周年記念漱石/子規 シンポジウム「言葉・物・世界」

王志松(北京師範大学)
スティーヴン・ドッド(ロンドン大学SOAS)
柴田勝二(東京外国語大学)
村尾誠一(東京外国語大学)
菅長理恵(東京外国語大学)
司会:友常勉(東京外国語大学)

東京外国語大学 アジア・アフリカ言語文化研究所 大会議室(303)

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お問い合わせ

東京外国語大学 国際化拠点室

TEL:042-330-5829、E-mail:caas_admin[at]tufs.ac.jp([at]を@に変えて送信ください)

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会場アクセス

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◆JR中央線

「武蔵境」駅のりかえ 西武多摩川線「多磨」 駅下車 徒歩5分(JR新宿駅から約40分)

◆京王電鉄

「飛田給」駅北口より多磨駅行き京王バスにて約10分「東京外国語大学前」下車

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研究講義棟:9番、本部管理棟:4番、アジア・アフリカ言語文化研究所:6番、留学生日本語教育センター:10番