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ボランティア活動スペースVOLAS

2013年7月31日掲載

ボランティア活動スペースVOLASをご存じですか?

VOLASには、2つの意味があります。一つは、東京外国語大学研究講義棟206号室にある共有の「活動空間」そのものをさしています。二つ目は、そこを拠点に展開されている活動全般。大学を飛び出し、さらには日本も飛び出して活動する学生の様々なボランティア活動を、陰にひなたに、支援しています。

生まれたのは2012年4月。ただし、2004年から本学で活動を続けてきた「多文化コミュニティ教育支援室」をその前身としています。同支援室は、外国につながる子どもたちへの学習支援と国際理解教育を二本柱として活動を展開してきました。それを発展的に継承し、現在のVOLASは、外国につながる子どもたちへの学習支援をはじめとする(しかし、それに限定されることのない)、さまざまな学生主体のボランティア活動を支援しています。

活動の3つの側面

VOLAS活動図

VOLASの活動は、3つの側面からなっています。

第一は、学内で結成された各種の学生のボランティア組織やプロジェクトに、活動の場を提供することです。あとで紹介する「ELAN」や「くらふと」など、10以上のグループやプロジェクトが、現在、VOLASの場を活動の拠点としています。

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第二は、VOLASの独自企画の活動です。これは、ボランティアに必要な知識を身につけるための講座や学習会を中心とするもので、VOLASに集う学生たちとVOLASスタッフが一緒に考え、形にしてきました。これまでの講座では、外国につながる子どもたちへの「学習支援講座」や「ボランティア入門講座」を実施しました。また、2013年4月にはじまったランチタイム学習会では、各種のテーマを集中的に学び、問題意識を深める活動をしています。これまでの学習会では、日本語教育や日本国内のマイノリティ問題などに詳しい本学の教員に参加してもらったり、大学近隣の市の国際交流協会の方や日本在住の難民の方、さらに障害をもつ仲間から話をききました。

第三は、大学のある府中市と協力して行っている学習支援の活動です。府中市は、外国につながる小1~中3までの子どもたちを対象にした2つの教室に開催しており、本学の多数の学生がそこでの活動に参加しています。VOLASでは、その活動をサポートしています。

いつでも、のぞいてください!

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こうしたわけで、研究講義棟206号室にあるVOLASには、いつも人があふれています。なにかやってみたい、参加してみたいという人は、是非、ガラスの扉をあけてください。中ではボランティアコーディネーターの西原さんやスタッフの橋本さん、各種の活動に参加している仲間が待っています。教員もVOLAS実施チーム会議を編成し、学生委員会を中心にVOLASの活動をサポートしています。

「世界を知る!外大生の身近な授業

一番最近では、学生の自主企画として、7月8日(月)に「外大生による外大生のための授業」と銘打って、101教室で「世界を知る!外大生の身近な授業――もっと知りたい子どもと教育」を開催しました。東京外大にはVOLASの内外で、「子ども」と「教育」にかかわるボランティア活動をしている学生がたくさんいます。この授業は、外大生がこうした支援を通して考えたこと、またフィールドから学んだことなどを、同じキャンパスで学ぶ学生や市民の方々にプレゼンテーションする場として企画されました。

3 YouTUBE 動画はこちらから

この日は、4つのグループに所属する10名がプレゼンターとして教壇に立ちました。どの授業も世界各地の子どもや教育の状況に関心をもつ外大生にとって大変意義深いものとなりました。と同時に、なかなか交わることのない学生同士が、日ごろいったいどのような活動をし、何を考え、何を学んでいるのかを知り、互いに刺激しあえる有意義な授業でもありました。

◆プレゼンテーション1:ミャンマー孤児院支援を通してみる教育のカタチ

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「私たちは、本学の「ELAN」というボランティアサークルに所属し、毎年春にミャンマーの孤児院を訪問しています。文房具や本など教育に必要なものを日本からもっていき、そこで暮らす子どもたちと一緒に遊びながら学びあっています。お金の支援はしていません。子どもたちの教育とはまったく異なるかたちで使われてしまう可能性があるからです。先日訪問したときは、お絵かきセットと折り紙をもっていきました。みんな、とても喜んで遊んでいました。教育ではなく、ただの遊びでは? と思われるかもしれません。けれども、こういったかたちの支援で良いのではないか、と私たちは考えています。たいした活動ではないかもしれません。でも、こうしたことの積み重ねこそが大切なのではないか、そして彼らの未来を少しでも良い方向に変えられるきっかけになるのではないか、と考えています。私たちは、これこそが国際支援の第一歩だと信じています。」(川添桃子/外国語学部ビルマ語専攻3年)

◆プレゼンテーション2:イスラエり・アラブの教育問題

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「私は、「日本・イスラエル・パレスチナ学生会議」という学生団体に所属しています。この団体は、毎年日本にイスラエルとパレスチナの学生を集め、日本人学生とともに一週間ほど共同生活をしながら、イスラエルとパレスチナのさまざまな問題についてディスカッションをし、互いの理解と知見を高めあうことを目的としています。ここでは、この活動を通じて学んだイスラエり・アラブ(イスラエルにとどまるアラブ人)の教育問題について、報告します。」(安齋篤人/国際社会学部ドイツ語専攻2年)

◆プレゼンテーション3:フィリピンの都市型スラムにおける寺子屋プロジェクト

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「私たちは、「学生国際協力NGO FEST」に所属しています。学生の国際協力では、持続可能な支援が難しいとも言われますが、私たちは、たとえ資金がなくても、現地の人に寄り添いながら共にプロジェクトをかたちづくり、最後には彼らに手渡せるような息の長い支援をしていきたいと考え、活動しています。2010年の夏に始動し、現在はフィリピンのセブ島にある都市型スラムを支援地として活動しています。現地には、家庭環境などが原因で充分な教育を受けられず、学校にすら行けない生徒がいます。そんな彼らを手助けするために、プリントを使った学習プロジェクトで支援しています。自分の見える範囲や考えの及ぶところばかりではなく、常に現地の人に寄り添いながら、共に考え、解決策を見いだしていく。それこそが、彼らの幸せに繋がるのではないかと信じ、日々の活動に励んでいます。」(椿優里/外国語学部フランス語専攻3年、清水彩也夏/国際社会学部フィリピン語専攻2年)

◆プレゼンテーション4:ワークショップを通じた国際理解教育

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「私たち「くらふと」は、「国際理解教育」という活動をしています。小学校、中学校、高校にお邪魔して、生徒ともにワークショップを行うことによって、世界のさまざまな問題について考える、そのきっかけづくりをしています。・・・・みなさんにとって仲間とはいったい何でしょうか? シールの色みたいに分かりやすい記号のようなもの、たとえば国籍や文化や見た目などでしばしば分けられてしまうことがあります。目で見て分かりやすいもので区別するというのは、どこでも起こりえますし、誰でもしてしまいがちです。たとえば学校でもそうですし、国や地域などいろいろなところで起こりえます。人間というのは、そういうふうに区別してしまう癖があるのだと思います。意識的であれ、無意識であれ、そういった線引きによって、人を傷つけてしまうこともよくあることです。こうしたことに気がついていただくために、ワークショップを行っています。ワークショップを通じて気がついたことを、頭の片隅にでも残していってほしいと思っています。」(くらふと/アンドレアス、伊藤愛、木田みのり、小林希、小林由佳、佐渡詩乃)

◆小林幸江先生の特別講義「日本の公立学校で学ぶ外国人の子どもたち」

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授業の最後には、本学留学生日本語教育センターの小林幸江先生に「日本の公立学校で学ぶ外国人の子どもたち」と題する講義をしていただきました。長く外国につながる子どもたちの教育に携わってこられた先生の話から、多くのことを学ぶことができました。

◆コメント: 田島充士先生、「実践する知識人を目指して」

「世界を知る!外大生の身近な授業――もっと知りたい子どもと教育」に聴衆として参加下さった田島充士先生(本学大学院総合国際学研究院、教育心理学)から、次のようなコメントをいただきました。

私は,各活動団体のみなさんによる発表を感心して聞いていました。東外大の普段の授業でも、様々な地域の世界事情について学問的に学ぶことは可能です。しかしみなさんはそれにあきたらず、実際に海外に出かけて活動したり、また国内でも、異文化理解を深めるための教育プログラムを運営したりしているわけです。教員として頼もしく、うれしく思いました。

次に、私はみなさんに、これらの活動から得た具体的な実践知を大学で学ぶ学問知と結びつけ、より深めていただきたいと期待しています。例えば,フィリピンで子どもたちの教育支援を展開している「FEST」の発表では、自分たちと現地の人々の、現実世界を解釈する視点の違いに気づき、両者の観点を相互につむぎあわせながら、持続可能な学校作りを目指すようになったという活動のエピソードが紹介されました。これは、異文化間コミュニケーションに関連した心理学・社会学・文化人類学などでの非常にホットな学問知を参照することで、さらなる発展的な展開をはかることが可能なテーマです。学問知を参照することで、実践場面で出会う問題を解決し、またそこで得られる実践知から新たな学問知を改編していく。私はみなさんに、このような「実践する知識人」になっていただきたいと思うのです。

無論、東外大でこのような学びを展開するためには、教員としてもさらなる努力が要求されるでしょう。私自身も、普段の授業やゼミ指導で、以上のようなみなさんの学びを、これまで以上に促進できるような学習支援法を開発していきたいと思いました。みなさんの活動が大学を、そして世界を変えていくことになるかもしれません。みなさんの今後のがんばりに,大いに期待します。


注目!VOLAS の活動は、VOLASホームページでご覧ください。

VOLAS パンフレット

チラシ表